トヨタファイナンス株式会社
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「顧客志向」と「データドリブン」をキーワードに、Marketing-orientedな組織へ変革をドライブ。

  • 記事のインタビュイー

    K.S

    デジタルマーケティング部
    TS CUBIC CARDマーケティング担当

    2020年中途入社。これまでに通信教育、テーマパーク、エアラインなどさまざまな業種でマーケティングを経験。これまでに培ったスキルをもとに、次は変革期にある自動車業界でチャレンジしたいと、トヨタファイナンスへ入社。

革新的な技術開発やモビリティサービスの実装が進み、変化の速度が年々高まっている自動車業界。この激動の真っ只中に身を投じ、マーケティングの進化に挑むマーケターに話を聞きました。

変革期を迎えている、ファイナンス事業におけるマーケティング

――「自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えている」といわれますが、そんな中、御社でのマーケティング活動はどのような状況にあるのでしょうか?

K.S:私が入社したときの率直な印象としては、戦略的にデザインされたマーケティング活動はほぼありませんでした。当社が発行しているTS CUBIC CARDの既存ユーザー向けにDMを送付して、キャンペーンをご案内するなど、単発的なプロモーション活動が中心だったようです。

――そこを変えていこうという動きがあったのですね。

K.S:おそらく、近年は当社もTOYOTA Walletをはじめ、取り扱うペイメントサービスの多様化が進み、これまでのマス的な商品プッシュ型の“プロモーション”だけでなく、顧客セグメントやペルソナ、カスタマージャーニーを意識した“マーケティング”が必要になってきたのだと思います。

――さまざまな業界でのマーケティング経験をお持ちのK.Sさんが入社されたのは、まさにそんなタイミングだったんですね。そんなK.Sさんの現在の活動内容を教えていただけますか?

K.S業務内容は主に二つあって、一つが当社のクレジットカードTS CUBIC CARD見込み客づくりのための広告活動、もう一つが同サービスの既存会員を対象としたCRMです。

――TS CUBIC CARDの特徴は?

K.Sクルマをご購入されたタイミングでカードに入会されたかたが大半なので、ユーザーの大半が、おクルマのオーナーである、あるいはその経験がある点がユニークですね。競合他社のカードは、ネット経由での契約が多くを占めているはずなので、そこは大きな違いだと思います。

――他にあまりないユニークなユーザーに対し、独自のアプローチが求められていると。

K.Sはい。レッドオーシャンのペイメントサービス業界で生き残るには、これまでの成功体験に縛られることなく、今一度お客さまに向き合って、それぞれのお客さまにとってのTS CUBIC CARDをご利用いただく意味を、創り出すことが大切だと思っています。そこで、まずはベーシックではありますが、お客さまの属性や行動などのデータをもとに、カスタマージャーニーに沿って、「どういった顧客層に、どのタイミングで、どういったアプローチをすべきか」を整理・分析するところから始めました。

――そのうえで、既存顧客向けのマーケティングではどのような基本戦略を?

K.S企業秘密なのでお話しできない部分もありますが(笑)、気にかけているのは当社カードならではのユニークネスです。TS CUBIC CARDには先ほどのような特長がありますので、カードを使っているお客さまには車検やおクルマの買い替えなど、カーライフにおけるイベントが高確率で発生します。そういった機会をとらえながら、まずは小さくテストマーケティングをし、その効果を検証した上で次の打ち手を考える。そういったPDCAを回しています。

――広告活動の面ではいかがですか?

K.S弊社の広告もデジタル中心なのですが、最終的な契約は販売店さんの店頭で行われることが多い。その点で、効果測定が難しく、現状のままだとデータドリブンな運用ができないという課題があったので、様々な手法を使って、PDCA領域でのOMOを進めました。言うなれば、これまでは曖昧だった当社広告活動の効果を、見える化できたのは、これまでの成果の一つです。

――まさにマーケティング活動をDXするということですね。

K.Sそうですね、会社としてもトップのリーダーシップのもと、DXに舵を切るタイミングでした。それはマーケティング領域でも例外ではなく、マーケティングオートメーションやAI解析ツールの導入が進むなど、より深い顧客起点のマーケティングの計画・実行の追い風になっています。

会社にマーケティング意識を根付かせる苦労と喜び

――マーケティング活動を導入する中で苦労した点は?

K.S・・・一つに絞るのは難しいですね(笑)。「そもそもマーケティングってなんだっけ?どうやるの?」という状況でしたが、まずは自分が“やって見せる”ことから始めました。トヨタファイナンスは伝統ある大きな会社である一方、マーケティングに関しては十分な理解や実績があるとは必ずしも言えない。そこに中途で入社してきた自分が影響力を発揮するにはどう振る舞えばいいか。その点は、上司の多大なる理解のもと、常に意識しながら率直に行動しています。

――周囲のかたの反応は?

K.S今は主に3人のメンバーと一緒にマーケティングの進化に取り組んでいるのですが、徐々にいいチームになってきていると感じています。他の3人はマーケティングの経験は必ずしも豊富ではありませんが、他部署での長い実務経験をもっているので、お客さまのことをよく知っています。その強みは顧客志向のマーケティングには何よりの資産ですし、それを上手に活用できるように、日々のOJTを大切にしています。

――それは一体どのように?

K.S例えば、やっぱり数字が苦手な人って多いんですよね。どうしてもデータを扱う必要性がある業務ではあるのですが、「データの使い方を覚えよう」というコミュニケーションではなく、「お客さんはどんな方が多い?」「どのような使い方をしている?」という人起点の質問にすることで、お客さまへの興味をそのままデータに結びつけていくようなコミュニケーションを心がけています。

――K.Sさんの考え方や手法が、組織に根付いてきたなと実感したシーンはありますか?

K.Sありますね。メンバーから「この企画のテスト設計を考えてみました」とか「お客さまのことを考えると、こういったアプローチが効果的だと思います」といった声が自発的に上がってきた時に実感しますし、心の中ではつい「よし!」ってガッツポーズです(笑)。マーケティングの実践経験は豊富でなくとも、顧客視点で考えられるメンバーはいるので、自分たち中途入社社員がドライバーとなることで、この先のマーケティングの進化・深化を進められると思っています。

――特にこれからクルマを取り巻く環境は大きく変わりますしね。

K.S大変革期を迎えている自動車業界では、海外でクルマをオンラインで買うという取り組みが広がるなど、ファイナンスの面でも大きく変わってきています。その中で、マーケティング思考を根付かせながら、数ある競合サービスに対してこれからどんなポジションを取り、どのような施策を打っていけばいいのか。カーライフに特化したファイナンス事業のマーケティング担当というのは、考えるべき課題は多いですが、その分やりがいも大きい仕事だと思います。

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